今回は物事の解釈や見方を変える思考法「リフレーミング」について解説しようと思います。
リフレーミングとは
「リフレーミング」とは、物事や出来事の解釈や見方を意識的に変えることで、
様々な問題に直面したときに、建設的で前向きに考えられるようにするテクニックです。
心理学やコーチングの分野で用いられるこの技法は、
一見ネガティブにしか見えない状況や問題をポジティブな視点から再評価することで、
新しい意味や価値を見出すことができるようになります。
一言でいうなら「物事をこれまでと違う見方で捉え直すこと」です。
リフレーミングの使い方と具体例
リフレーミングがどのようなものなのか、具体例でご説明しましょう。
たとえばこんな失敗経験があるとします。
自分の提案に対して、同僚から批判された
これを単純に考えると「批判された」という事実だけのように見えます。
この思考をリフレーミング、つまり前向きに捉え直すと、
「彼からのフィードバックは私の成長のための貴重な意見だ」と考えることができ、
単なる否定として受け取らず、自分自身の成長のためのフィードバックとして受け取ることで、
自己成長への意識を高め、プラスに捉えることができます。
他にも、
試験に落ちてしまった、成績が上がらない
などの状況に陥った場合にもリフレーミングをすることで、
「最初からすべてうまくいく人はいない」
「自分の課題点が明らかになった」
と現状を前向きに、建設的に捉えることができます。
リフレーミングの効果
リフレーミングができるようになるということは、
ネガティブな感情や思考に支配されず、
自分自身や置かれた状況を多角的に見ることができるようになるということです。
つまり、前向きに捉えることで精神的なストレス耐性のアップ、問題解決能力の向上が期待できます。
また、他人の行動や意見に対しても柔軟に受け入れられるため、良好な人間関係にもつながるでしょう。
困難な状況でも前向きに捉えて乗り越えることで自己効力感も高めることができ、
挫折や失敗も成長の機会として学びに変換できるので、成長機会の拡大にもなるでしょう。
これらによって、長期的なストレスの軽減ができれば心身の健康にもとてもいいです。
こう見るといいこと尽くめですね。
リフレーミングの難しいところ
とはいえリフレーミングは、結局のところ、
ネガティブな状況や経験をしている「自分自身」でしなければいけない、というところです。
「ネガティブなことをポジティブに考えましょう」と言われて、
「はい、今からそうします!」とできれば世の中に悩みなど無いでしょう。
自分の思考や認知パターンを即座に切り替えることは容易ではありません。
ですが、日々の小さな積み重ねによってトレーニングしたり、習慣づけていくことで、
だんだんとやりやすくなっていくのです。
リフレーミングの小さなトレーニング
リフレーミングの練習をするために、以下のような簡単なトレーニングを日々やってみましょう。
自己認識の練習
まず、自分の現在の思考や感情、反応を正確に認識することが大切です。
マインドフルネスなどを取り入れて、
自分がどのような状況や内容にネガティブに反応しているのかを把握する練習を行いましょう。
マインドフルネスに最適な瞑想については下記の記事を参考にしてみてください。
小さな成功を祝う
日記を書く、運動をするなど、その日やろうと思っていたことを少しでもできたら、その成功を祝いましょう。
日々の小さな成功を意識したり、良いところを見つける練習によって、前向きに捉える癖をつけることができます。
慣れてくると「寝すぎた」→「たくさん寝られた」とプラスに変換できるようになってくるかもしれません。
ポジティブな環境をつくる
身の回りの人々は否定的な人ばかりではありませんか?
何かにつけてネガティブな見解ばかり示す人たちに囲まれていては、
ポジティブな考えも浮かびません。新しいコミュニティに参加したり、
日々前向きに考えたり行動している人たちと交流してみましょう。
また、物理的に騒音が少ない、快適な気温であるなどの物理的な環境も大切です。
平穏な心で居られない場所には長く居ないようにしましょう。
まとめ
リフレーミングは「物事をこれまでと違う(ポジティブな)見方で捉え直すこと」です。
自分の力で行うのは難しいことですが、これができると自分や自分の状況を多角的に観察することができ、
より良い人生を送ることにつながるでしょう。