つい頭の中に嫌な出来事、嫌な記憶、考えたくないことが繰り返し浮かんできてしまうことはありませんか?
忘れたい、考えるのをやめたいと思うほど繰り返し考えてしまうものです。
今回はそんな負のループに陥ったときの対処法、抜け出し方をお伝えします。
反すうとは?
同じことを繰り返し繰り返し考えてしまうことを心理学の世界では反芻(はんすう)と言います。
もともとは一部の動物が食物を食べるときのプロセスが語源ですが、
ここでは人がつらい経験や、不快な体験を思い出してしまい気が滅入ってしまう「反芻思考」のことを指します。
反芻思考は悪い事の方が多い
反芻思考で嫌な記憶を反すうしている間は、前向きな考えもできず、生産的なことや建設的なことも思いつきません。つまり、精神的に有害な事がほとんどです。
この状態を打破する方法として、今回は僕が実際に試して即効性があって特に効果的だったと感じた方法を紹介します。
結論:だんだん小さくする法
頭の中に嫌な出来事が浮かんでしまい、思考を手放せない場合には「イメージをだんだん小さくする」という方法を試してみてください。
例えば、「自分が上司にめちゃくちゃ怒られた時のこと」を思い出してしまったら、その映像をだんだんと小さくしていくのです。
あなたが思い浮かべる辛い記憶や嫌な思い出の映像が、どんどんどんどんと小さくなっていって、最後には見えなくなる、もしくは、極々小さな泡が弾けたようにぱっと消失するようなイメージを持ってください。
このイメージを使えば短期的に即効性のある方法で、反すうに囚われている脳を解放してあげることができます。
嫌な記憶は臨場感がありすぎて没入してしまう
嫌な記憶を思い出しているときは、おそらく脳内で、それはもうすごい臨場感で、今まさにもう一度目の前で体験しているかのようなリアルな追想をしてしまっていると思います。
もう終わった事なのに、もう離れているのに、あの時は辛かったなと繰り返し考えてしまう。
強烈な記憶ゆえに一度意識をとられると、気が付いたら何分も時間が過ぎていたり、悪い意味での没入感が反すうにはあります。
このハマりすぎる危険な没入を阻止して、自分のコントロールを失わないように気持ちを鎮めるのが今回の「だんだん小さくする法」です。
嫌な記憶を思い出してしまって抜け出せない際は、この方法を実践してみてほしいと思います。
余談:長期的な方法ならマインドフルネスも非常に効果的
短期間で効果を実感することは難しいですが、マインドフルネスや瞑想などを習慣づけていけば、メンタルや思考のコントロール力が上がり、反すう思考にも飲み込まれにくくなります。精神的に少し余裕があれば同時にトレーニングとして取り入れてもいいでしょう。
さいごに
「反すう」には、ネガティブな経験を思い返すといったニュアンスがありますが、厳密にいえば思い返すこと自体が悪なのではありません。
過去の失敗について、「何が原因で、どう改善できるか」「次同じことが起こらないようにするにはどうすればいいか」と反省の材料にして前向きに考えて、自己成長の糧にできるのであればそれはそれで良い事です。
そうではなく、「自分に能力がないからダメなんだ」「自分は運が悪い人間だ」と自己否定的な考えをしたり、「何をやっても無意味だ」「世の中はひどい人しかいない」と飛躍して悲観的になってしまうならそれは良くありません。
反すうをしやすい人は、過去の出来事にもしっかり向き合おうとする姿勢のある人だと思います。
何がいけなかったのか?何故うまくいかなかったのか?を正しく理解しようと努力できる才能があると思いますが、心がつらい時は、無理に反省しようとする必要はありません。
今回ご紹介した「だんだん小さくする法」を取り入れつつ、自動的な反芻思考に囚われず徐々に自分のコントロールを上手にできるようになってもらえたらと思います。