Wi-Fi規格の種類を一覧でわかりやすく解説!11a/b/g/n/acからWi-Fi 7までの違いと歴史

Wi-Fiルーターを買おうとすると「IEEE802.11ac対応」「Wi-Fi 6対応」といった表記を目にしますが、「結局なにが違うの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。

実はWi-Fiにはいくつもの規格(バージョン)があり、規格によって通信速度や使える周波数帯が異なります。

古い規格と新しい規格では性能に大きな差があるため、自分が使っている機器がどの規格に対応しているかを知っておくことは、快適なネット環境を整えるうえでとても重要です。

この記事では、Wi-Fiの規格を一覧でわかりやすく整理し、それぞれの特徴や歴史、そして最新のWi-Fi 7まで丁寧に解説していきます。

目次

Wi-Fi規格とは?IEEE802.11の基本

Wi-Fiの規格は、IEEE(アイ・トリプル・イー)という国際的な技術標準化団体が策定しています。

正式には「IEEE802.11」という番号が付いており、その後ろにアルファベットが続く形で各規格を区別しています。

たとえば「IEEE802.11ac」であれば、「IEEE802.11」が無線LANの規格群全体を指し、「ac」がその中の特定のバージョンを表しています。

少しややこしく感じるかもしれませんが、ざっくり言えば「Wi-Fiのバージョン番号」のようなものです。

スマートフォンのOSにiOS 16、iOS 17…とバージョンがあるように、

Wi-Fiにも世代ごとの規格があり、新しいものほど速度や機能が向上しています。

ちなみに、こうした「11○○」という名称が分かりにくいということで、

2018年からは「Wi-Fi 4」「Wi-Fi 5」「Wi-Fi 6」のように数字で呼ぶ新しい命名ルールも導入されました。

こちらについては後ほど詳しく説明します。

Wi-Fi規格の歴史と進化

Wi-Fiの規格は1990年代後半に初めて登場し、そこから約25年以上かけて大きく進化してきました。

ここでは主要な規格を登場順に見ていきましょう。

IEEE802.11b(1999年)

Wi-Fiが一般に普及するきっかけとなった規格です。2.4GHz帯を使い、最大通信速度は11Mbpsでした。今の感覚では非常に遅いですが、当時はケーブルなしでインターネットに接続できるということ自体が画期的でした。

IEEE802.11a(1999年)

11bと同じ1999年に策定された規格で、5GHz帯を使用します。最大速度は54Mbpsと11bの約5倍でしたが、5GHz帯は当時の日本では利用制限があったことや対応機器が少なかったことから、11bほど普及しませんでした。

IEEE802.11g(2003年)

2.4GHz帯を使いながら最大54Mbpsを実現した規格です。11bとの下位互換性を持っていたため、既存の機器との接続も可能でした。2.4GHz帯で11aと同等の速度が出せるようになったことで、家庭やオフィスで広く使われるようになりました。

IEEE802.11n(2009年)/Wi-Fi 4

Wi-Fiの大きな転換点となった規格です。2.4GHzと5GHzの両方に対応したのはこの規格からで、最大通信速度も600Mbpsと大幅に向上しました。

また、MIMO(マイモ)という技術が導入されたのもこの規格からです。MIMOは複数のアンテナを同時に使ってデータを送受信する技術で、これにより通信の安定性と速度が飛躍的に向上しました。

IEEE802.11ac(2013年)/Wi-Fi 5

5GHz帯専用の規格で、最大通信速度は理論値で6.9Gbpsに達しました。ビームフォーミング(特定の方向に電波を集中させる技術)やMU-MIMO(複数の機器に同時にデータを送る技術)が強化され、複数台の端末を同時に使うスマートフォン全盛の時代にマッチした規格です。

2020年代前半まで、家庭用Wi-Fiルーターの主流規格として広く使われていました。

IEEE802.11ax(2021年)/Wi-Fi 6

最大通信速度は9.6Gbpsで、11acからさらに速度が向上しています。しかしWi-Fi 6の真価は速度だけではなく、混雑した環境での効率性にあります。

OFDMA(直交周波数分割多元接続)という技術により、1つの通信チャンネルを複数のユーザーで効率的に共有できるようになりました。イメージとしては、今までは「1つのレジに1人ずつ並んでいた」のが、「複数のレジで同時に会計できる」ようになった感じです。

マンションのように多くの人がWi-Fiを同時に使う環境でも、速度低下を抑えやすくなっています。

IEEE802.11be(2024年正式策定)/Wi-Fi 7

2024年にIEEEで正式に策定された最新規格です。最大通信速度は理論値で46Gbpsと、Wi-Fi 6の約4.8倍という驚異的な数字になっています。

Wi-Fi 7の大きな特徴として、新たに6GHz帯が追加されたこと、そしてMLO(マルチリンクオペレーション)という技術があります。MLOについては後ほど詳しく触れます。

各規格の特徴を比較表で整理

ここまでの内容を比較表にまとめると以下のようになります。

規格名通称策定年周波数帯最大速度(理論値)
IEEE802.11b1999年2.4GHz11Mbps
IEEE802.11a1999年5GHz54Mbps
IEEE802.11g2003年2.4GHz54Mbps
IEEE802.11nWi-Fi 42009年2.4GHz / 5GHz600Mbps
IEEE802.11acWi-Fi 52013年5GHz6.9Gbps
IEEE802.11axWi-Fi 6/6E2021年2.4GHz / 5GHz / 6GHz9.6Gbps
IEEE802.11beWi-Fi 72024年2.4GHz / 5GHz / 6GHz46Gbps

表の「最大速度」はあくまで理論上の最大値であり、実際の通信速度はこれよりかなり低くなります。

ただ、世代が進むごとに着実に性能が向上していることがよく分かりますね。

めちゃ進化してますな

Wi-Fi 4/5/6/7とは?新しい命名ルール

前の章でもちらっと触れましたが、2018年に業界団体のWi-Fi Alliance(ワイファイ・アライアンス)が、分かりやすさのために新しい命名ルールを導入しました。

「IEEE802.11ac」のような表記は正確ではあるものの、一般の人にはどれが新しくてどれが古いのか判断しづらいという問題がありました。

そこで、主要な規格に対してシンプルな番号を割り当てたのがこの仕組みです。

対応関係は以下の通りです。

  • Wi-Fi 4 = IEEE802.11n
  • Wi-Fi 5 = IEEE802.11ac
  • Wi-Fi 6 = IEEE802.11ax
  • Wi-Fi 6E = IEEE802.11ax(6GHz帯対応版)
  • Wi-Fi 7 = IEEE802.11be

Wi-Fi 6Eは規格としてはWi-Fi 6と同じ11axですが、新たに6GHz帯に対応した拡張版という位置づけです。

6GHz帯は利用者が少なく電波の渋滞が起きにくいため、より快適な通信が期待できます。

なお、11a/11b/11gに対しては「Wi-Fi 1」「Wi-Fi 2」「Wi-Fi 3」という呼び方が後から定義されましたが、実際にはほとんど使われていません

現在の製品で見かけるのはWi-Fi 4以降の表記が中心です。

ルーターやスマホのスペック表を見るときは、この通称を知っているだけでも「これは新しい規格だな」「少し古い世代だな」と判断しやすくなります。

「Wi-Fi 4」以降を気にしておけばOK。

Wi-Fi 6E・Wi-Fi 7の最新動向(2026年時点)

Wi-Fi 6Eの普及状況

Wi-Fi 6Eは6GHz帯を使えるようになった規格で、日本でも2022年9月に6GHz帯の利用が解禁されました

対応ルーターは各メーカーから発売されており、2026年現在では選択肢もかなり増えてきています。

ただし、6GHz帯に接続するにはルーターだけでなく端末側も対応している必要があります。

iPhoneではiPhone 15 Pro以降、AndroidでもGalaxy S24やPixel 8以降など比較的新しい端末が対応しています

Wi-Fi 7の登場と今後

Wi-Fi 7(IEEE802.11be)は2024年に正式策定され、日本でも2026年に入ってから対応ルーターの選択肢が増えてきました。バッファローやNECなどの国内メーカーからも製品が登場しています。

Wi-Fi 7の注目技術として、MLO(マルチリンクオペレーション)があります。

これは2.4GHz・5GHz・6GHzの3つの周波数帯を同時に使って通信する技術です。

従来は1つの周波数帯でしか通信できませんでしたが、MLOでは複数の帯域を束ねることで、速度の向上だけでなく通信の安定性が大きく改善されます。

細い川が合流して大きな川になるみたいな?

また、チャンネル幅が最大320MHzに拡大されたことも大きな特徴です。

Wi-Fi 6の最大160MHzから2倍になっており、一度に送れるデータ量が増えています。

ただし、Wi-Fi 7の性能をフルに発揮するには、ルーターと端末の両方がWi-Fi 7に対応している必要があります。

2026年4月時点では、iPhone 16シリーズや一部のノートパソコン・タブレットがWi-Fi 7に対応していますが、すべての機器で使えるわけではありません。

買い替えのタイミングとしては、今すぐWi-Fi 7に飛びつく必要はなく、ルーターの寿命や端末の買い替え時期に合わせて自然に移行していくのがコストパフォーマンス的にも良いでしょう。

すでにWi-Fi 6対応のルーターを使っている方であれば、日常使いで不便を感じることは少ないはずです。

自分の環境のWi-Fi規格を確認する方法

今使っているWi-Fiがどの規格で接続されているのか、確認する方法を紹介します。

Windowsの場合

タスクバーのWi-Fiアイコンをクリックし、接続中のネットワーク名の「プロパティ」を開きます。

「プロトコル」という項目に「Wi-Fi 6(802.11ax)」のように表示されるので、ここで現在の接続規格を確認できます。

Macの場合

Optionキーを押しながらメニューバーのWi-Fiアイコンをクリックすると、詳細情報が表示されます。

「PHYモード」という項目に「802.11ac」などの規格名が記載されています。

スマートフォンの場合

iPhoneでは直接確認する標準機能がないため、ルーターの管理画面やアプリから確認するのが一般的です。

Androidでは機種にもよりますが、Wi-Fi設定画面で接続中のネットワークをタップすると、「リンク速度」や「Wi-Fi規格」が表示される場合があります。

ルーター側の確認

ルーター本体のパッケージや仕様表に対応規格が記載されています。

「11ac対応」と書かれていれば、そのルーターはWi-Fi 5まで対応しているということです。

なお、Wi-Fiの規格は下位互換性があるため、Wi-Fi 6対応ルーターでもWi-Fi 5やWi-Fi 4の機器を接続できます。

まとめ

Wi-Fiの規格について、11a/11bの時代からWi-Fi 7まで一通り解説してきました。

ポイントを振り返ると、Wi-Fiは1999年の11a/11bから始まり、11g→11n(Wi-Fi 4)→11ac(Wi-Fi 5)→11ax(Wi-Fi 6)→11be(Wi-Fi 7)と進化してきました。

世代が進むごとに速度や安定性が向上し、使える周波数帯も増えています。

2026年現在ではWi-Fi 6が主流で、Wi-Fi 7も徐々に普及が始まっている段階です。

今すぐすべてを最新にする必要はありませんが、自分のルーターや端末がどの規格に対応しているかを把握しておくと、「なぜ遅いのか」「買い替えの目安はいつか」といった判断がしやすくなります。

規格名が並ぶとどうしても難しく感じてしまいますが、「数字が大きいほど新しくて速い」というシンプルな理解で、まずは十分です。

Wi-Fiも色々あるんですな

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