OOUIとは?タスクベースUIとの違いをわかりやすく解説

「OOUI」という言葉を聞いたことはありますか?

UIデザインやアプリ開発の勉強をはじめると、わりと早い段階で出会う概念です。

ひと言でいえば、「モノを先に選んでから、やることを決める」という設計思想のことです。

これだけではピンとこないと思うので、

この記事では「タスクベースUI」との比較を通じて、

OOUIが何なのか・なぜ使いやすいのかをできるだけやさしく解説します。

目次

そもそも「UI」って何?

UIとは「User Interface(ユーザーインターフェース)」の略で、人とコンピューターが情報をやりとりするための接点のことです。画面上のボタン、メニュー、テキスト入力欄……こういった要素すべてがUIです。

UIの設計方針は大きく2つに分かれます。それが「タスクベースUI」「OOUI(オブジェクト指向UI)」です。


タスクベースUIとは?「やること」が先に来る設計

タスクベースUIとは、「ユーザーが何をしたいか(タスク・動詞)」を起点に画面を設計する考え方です。

たとえば、古い銀行のATMをイメージしてください。画面を開くと最初にこんな選択肢が並んでいます。

図1:タスクベースUIの例。「やること(動詞)」が先に並ぶ

「お引き出し」「お預け入れ」「残高照会」——これらはすべて動詞(アクション)です。ユーザーはまず「何をするか」を選ばされます。

目的がはっきりしているATMではこれで問題ありませんが、多機能なアプリでこの設計にすると「自分がやりたいことはどのメニューにあたるのか」がわかりにくくなってしまいます。


OOUIとは?「モノ」が先に来る設計

OOUI(Object Oriented User Interface)とは、「ユーザーが操作する対象(オブジェクト・名詞)」を起点に画面を設計する考え方です。

「オブジェクト」とは、ユーザーが目的にする「モノ」のことです。ショッピングアプリなら「商品」、メールアプリなら「メール」や「受信箱」、写真アプリなら「写真」がオブジェクトにあたります。

OOUIでは、まずオブジェクト(モノ)がユーザーの目の前に並びます。そのモノを選んでから、「何をするか」を決めます。

図2:OOUIは「モノを選ぶ → やることを決める」の順で操作する

たとえばiPhoneの写真アプリを思い浮かべてください。

アプリを開くと、まず写真の一覧(オブジェクト)が見えています。

見たい写真をタップしてから、「共有する」「削除する」「編集する」などのアクションを選びます。

「まず写真を選んで、それから何をするか決める」——これがOOUIの自然な流れです。


2つのUIを並べて比較する

同じ「メールを送る」という操作を、タスクベースUIとOOUIで比べてみます。

図3:同じメールアプリでも、設計思想によって画面の構造がまったく変わる

タスクベースUIでは「メールを送る」「メールを受信する」「メールを削除する」という動詞のメニューが並びます。

一方OOUIでは、まずメールの一覧(モノ)が並んでいて、メールを選んだあとに「返信・転送・削除」などのアクションが表示されます。

どちらが直感的かは、すぐにわかりますね。


なぜOOUIは「使いやすい」のか?

OOUIが使いやすい理由はシンプルで、私たちが現実世界でモノを扱う感覚と一致しているからです。

たとえば現実でコーヒーを飲むとき、私たちは「コーヒーカップ(モノ)」を手に取ってから「飲む・置く・洗う」などの行動を選びます。「飲む」という動詞から始めて「何を飲もうか」と探す人はいませんよね。

OOUIはこの「モノが先、行動が後」という人間の自然な思考の順序に合わせた設計です。そのため、説明書なしで直感的に使えるUIが生まれやすくなります。


タスクベースUIが向いているケースもある

OOUIの方が優れていると聞くと「タスクベースは悪いもの?」と思いがちですが、そうではありません。

ATMを例に考えてみましょう。ATMにカードを挿した時点で「どの口座を操作するか(オブジェクト)」はもう決まっています。あとは「引き出す・預ける・照会する」どれをするかだけなので、タスクから始まる設計がシンプルで適切です。

また、初めてサービスを使うユーザーがまだ「何のモノがあるか」を知らない状態では、タスクから誘導する設計の方が迷いにくいこともあります。

「ユーザーの目的が明確でオブジェクトが限定されている場合」にはタスクベースUIも有効です。

図4:どちらが優れているかではなく、状況による使い分けが重要

身近なOOUIの例

OOUIを採用したサービスは、実は私たちの身近にたくさんあります。

  • iPhoneのホーム画面:アイコン(オブジェクト)が並んでいて、タップしてから使う
  • Googleフォト・iCloud写真:写真(オブジェクト)一覧から写真を選び、共有・編集・削除
  • Amazonの商品一覧:商品(オブジェクト)を選んでから、カートに入れる・ほしい物リストに追加
  • Googleドライブ・Notion:ファイル・ページ(オブジェクト)を選んでから操作する
  • Slack:チャンネル・DM(オブジェクト)を選んでからメッセージを送る

いずれも「モノが先、アクションが後」という構造です。

普段なにげなく使っているサービスが、実はOOUIの設計思想に基づいていたというわけです。


まとめ

OOUIとタスクベースUIの違いを整理します。

タスクベースUIOOUI
起点動詞(やること)名詞(モノ)
操作の流れタスク選択 → 対象指定対象選択 → アクション選択
向いている場面目的が明確・手順案内多機能・自由な操作
代表例ATM・予約ウィザードiPhone・Gmail・Amazon

OOUIは「タスク指向からオブジェクト指向への転回だけは、銀の弾丸と言っていいほど汎用的で強力なUI改善方法」と評される考え方です(ソシオメディア)。UIデザインを学ぶ際は、まずこの「名詞が先か、動詞が先か」という視点を持つだけで、日常的に使うアプリの設計意図が見えるようになります。

「あのアプリはOOUIだな」「このメニューはタスクベースになってるな」——そんな目で身の回りのUIを観察するところから始めてみてください。

参考文献:「オブジェクト指向UIデザイン 使いやすいソフトウェアの原理」ソシオメディア株式会社・上野学・藤井幸多 著(技術評論社)

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