こないだ「IPアドレスってなに?」って聞かれたけどうまく説明できなかったよ。
実際なんなの?
ネットワークの学習をしていると、真っ先に出てくるのがこの「IPアドレス」という用語です。
ITパスポートや基本情報技術者試験の勉強でも必ず登場しますし、Webサイトの運営やサーバー契約の場面でも避けて通れない基礎知識です。
でも「IPアドレスとは、ネットワーク上の住所のようなものです」と言われても、正直ピンとこないですよね。
この記事では、IPアドレスの仕組みをたとえ話を使いながら、ITの専門知識がない方にもわかるようにていねいに解説します。グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの違い、IPv4とIPv6の違い、そしてサブネットマスクの基本まで、この1記事で全体像がつかめるように構成しました。

IPアドレスをひとことで言うと「ネット上の住所」
IPアドレスとは、インターネットやネットワークに接続されている機器(パソコン、スマホ、サーバーなど)に割り当てられる識別番号のことです。
わかりやすく言うと、「インターネットの世界における住所」です。
現実世界で手紙を届けるには、相手の住所が必要ですよね。ネットワークの世界でも同じで、データを届けたい相手の「場所」がわからなければ、通信ができません。この「場所」にあたるのがIPアドレスです。
たとえば、あなたがブラウザで「web-den.com」にアクセスすると、裏側ではこんなやり取りが行われています。
「web-den.comのページが見たいです」
「web-den.comのIPアドレスは○○.○○.○○.○○ですよ」
そのIPアドレス宛にデータを要求
ページのデータを返す
文字で上記の流れをもう一度説明すると、あなたのパソコン「web-den.comのページが見たいです」→ DNSサーバー「web-den.comのIPアドレスは○○.○○.○○.○○ですよ」→ あなたのパソコンがそのIPアドレス宛にデータを要求 → Webサーバーがページのデータを返す。
という流れになります。
つまり、私たちが普段使っている「web-den.com」のようなドメイン名は、人間にとってわかりやすい「名前」であって、実際の通信にはIPアドレスという「数字の住所」が使われているわけです。

IPアドレスの見た目と読み方
現在最も広く使われているIPアドレスは「IPv4(アイピーブイフォー)」と呼ばれる形式で、以下のような見た目をしています。
192.168.1.10Bash「.(ドット)」で区切られた4つの数字の組み合わせで構成されていて、それぞれの数字は0〜255の範囲です。つまり、0.0.0.0 から 255.255.255.255 までの組み合わせが存在します。
この4つの数字のかたまりを専門用語では「オクテット」と呼びます。覚えなくても問題ありませんが、参考書やIT系の記事では登場することがあるので、「ああ、あの4つのブロックのことね」と理解できれば十分です。
ここでよくある疑問が「IPアドレスって全部で何個あるの?」というものです。
計算すると、IPv4のアドレスは約43億個あります。
一見すると多いように感じますが、世界中のスマホ、パソコン、サーバー、IoT機器すべてに割り当てるには全然足りません。
これが後ほど説明する「IPv6」が生まれた理由です。
グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの違い
IPアドレスには大きく分けて「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」の2種類があります。
ここが初心者にとって最も混乱しやすいポイントなので、たとえ話を使って整理しましょう。
マンションの住所をイメージしてみてください。
「東京都港区○○1-2-3 △△マンション」という住所は、郵便物を届けるために誰でも使える公の住所です。
これがグローバルIPアドレスにあたります。
インターネット全体の中で一意(ユニーク)な番号で、世界中のどこからでもこのアドレスを指定すれば通信できます。
一方、マンションの中には「101号室」「201号室」「302号室」という部屋番号がありますよね。
この部屋番号はマンションの中だけで通用するもので、外部から直接「302号室」とだけ指定しても届きません。
これがプライベートIPアドレスです。
実際のネットワークでは、家庭やオフィスのルーターがこの「マンション」の役割を果たしています。
ルーターにはグローバルIPアドレスが1つ割り当てられていて、ルーターの内側にあるパソコンやスマホには、それぞれプライベートIPアドレスが割り当てられています。
プライベートIPアドレスとして使える範囲は決まっていて、以下の3つの範囲が予約されています。
| クラス | IPアドレスの範囲 | 主な用途 |
|---|---|---|
| クラスA | 10.0.0.0 〜 10.255.255.255 | 大規模な企業ネットワーク |
| クラスB | 172.16.0.0 〜 172.31.255.255 | 中規模なネットワーク |
| クラスC | 192.168.0.0 〜 192.168.255.255 | 家庭や小規模オフィス |
家庭のWi-Fiルーターの設定画面を開いたことがある方は、「192.168.1.○○」のような数字を見たことがあるかもしれません。
これはクラスCのプライベートIPアドレスです。
家のルーターが各端末に自動的に割り振っているもので、家庭内のネットワークでだけ通用する番号です。
ここでひとつ押さえておきたい大事なポイントがあります。
プライベートIPアドレスからインターネットに接続するとき、ルーターが「NAT(ナット)」という仕組みを使って、プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換しています。
つまり、あなたのパソコンが直接インターネットに出ていくのではなく、ルーターが代わりにグローバルIPを使って通信しているわけです。
IPv4とIPv6の違い
先ほど「IPv4のアドレスは約43億個しかない」と書きました。
世界の人口が80億人を超え、一人が複数のデバイスを持つ時代に、43億個では到底足りません。
この問題を根本的に解決するために作られたのが「IPv6(アイピーブイシックス)」です。
IPv4とIPv6を並べて比較してみましょう。
| 項目 | IPv4 | IPv6 |
|---|---|---|
| 表記例 | 192.168.1.10 | 2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334 |
| アドレス数 | 約43億個 | 約340澗(かん)個 |
| 表記方法 | 10進数をドットで区切る | 16進数をコロンで区切る |
| 普及状況 | 現在も主流 | 徐々に普及中 |
IPv6のアドレス数は「340澗(かん)個」です。
か、カン…?
澗(かん)というのは10の36乗、つまり340の後ろにゼロが36個つく数字です。
地球上の砂粒の数よりはるかに多いと言われていて、事実上「枯渇しない」と考えて差し支えありません。
見た目がまったく違うので戸惑うかもしれませんが、役割はIPv4と同じ「ネットワーク上の住所」です。
IPv6では各端末に固有のアドレスを直接割り当てられるので、NATのような変換の仕組みがなくても通信ができます。
現在はIPv4とIPv6が混在している過渡期です。
多くのWebサイトやサービスは両方に対応しており、ユーザーが意識して切り替える必要は基本的にありません。
レンタルサーバーやプロバイダーの仕様書で「IPv6対応」と書かれているのを見かけたら、「将来を見据えて新しい規格にも対応しているんだな」と理解できれば十分です。
サブネットマスクとは?ネットワークの「区画整理」
IPアドレスの話をすると、セットで出てくるのが「サブネットマスク」です。
ITパスポートや基本情報技術者試験でもよく出題されるテーマなので、ここで基本を押さえておきましょう。
サブネットマスクとは、IPアドレスのうち「どこまでがネットワーク部で、どこからがホスト部か」を区別するための数値です。
これだけだと意味がわからないので、マンションのたとえに戻りましょう。
先ほどの「東京都港区○○1-2-3 △△マンション 302号室」という住所を見てください。
この住所は、「東京都港区○○1-2-3 △△マンション」というビル全体を示す部分と、「302号室」という個別の部屋を示す部分の2つに分けられますよね。
IPアドレスもまったく同じ構造になっています。
192.168.1.10 というIPアドレスで、サブネットマスクが 255.255.255.0 の場合、前半3つの 192.168.1 が「ネットワーク部」(=マンションの住所)にあたり、最後の 10 が「ホスト部」(=部屋番号)にあたります。
同じネットワーク部を持つ機器同士(つまり同じマンションの住人同士)は、直接データをやり取りできます。
違うネットワーク部の機器とやり取りするには、ルーター(マンションの玄関)を経由する必要があります。
よく見るサブネットマスクの値とその意味をまとめておきます。
| サブネットマスク | ネットワーク部 | 使えるホスト数 |
|---|---|---|
| 255.0.0.0 | 最初の1ブロック | 約1,677万台 |
| 255.255.0.0 | 最初の2ブロック | 約65,534台 |
| 255.255.255.0 | 最初の3ブロック | 254台 |
家庭のネットワークでは 255.255.255.0 が最も一般的です。
ルーターの配下に254台までの機器を接続できる設定で、一般家庭なら十分すぎる数です。
サブネットマスクを理解しておくと、ネットワークのトラブルシューティングで「なぜこの機器同士が通信できないのか」を判断できるようになります。
たとえば、2台のパソコンのIPアドレスが 192.168.1.10 と 192.168.2.10 だった場合、ネットワーク部が異なる(1と2)ので、ルーターなしでは直接通信できません。
こういった場面で「もしかしてサブネットが違う?」と気づけるかどうかが、ネットワーク知識の有無の差です。
自分のIPアドレスを確認する方法
「自分のIPアドレスってどうやって調べるの?」と思った方向けに、簡単な確認方法を紹介しておきます。
グローバルIPアドレスを確認したい場合は、ブラウザで
「確認くん」(https://www.ugtop.com/spill.shtml)
にアクセスするか、Googleで「my ip」と検索すると表示されます。
これはルーターに割り当てられているグローバルIPアドレスです。
プライベートIPアドレスを確認したい場合は、Windowsならコマンドプロンプトを開いて ipconfig と入力、Macならターミナルで ifconfig と入力すると、「IPv4 アドレス」の欄に表示されます。
192.168.○.○ のような数字が出てくるはずです。
まとめ
IPアドレスの全体像を振り返っておきましょう。
IPアドレスは「ネットワーク上の住所」です。
この住所がなければ、データの送受信先が特定できず、インターネットは成り立ちません。
IPアドレスにはグローバルIPアドレス(インターネット全体で使う公の住所)とプライベートIPアドレス(家庭やオフィス内で使う部屋番号)の2種類があります。
ルーターがNATという仕組みで両者を変換してくれるので、私たちは普段この違いを意識せずにインターネットを使えています。
現在主流のIPv4は約43億個のアドレスしかなく枯渇が問題になっていますが、次世代のIPv6では事実上無限のアドレスが利用可能です。
そしてサブネットマスクは、IPアドレスの中の「ネットワーク部」と「ホスト部」を区別するための仕組みで、ネットワークの区画整理をする役割を果たしています。
この記事の内容が理解できれば、ネットワークの基礎はかなり固まっています。
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