Reactを学ぶ中で、「仮想DOM」という言葉を聞いたことはあるけれど、
具体的に何なのかがわからない方も多いのではないでしょうか?
この記事では、Reactの「仮想DOM」が何なのか、そしてその仕組みがなぜ重要なのかをわかりやすく解説します。
また、仮想DOMがどのようにしてReactのパフォーマンスを向上させ、
効率的なUI更新を可能にするのかも説明していきます。
おねしゃす
仮想DOMとは?
「仮想DOM(Virtual DOM)」とは、JavaScriptで作られた軽量なDOMのコピーです。
DOM(Document Object Model)は、ブラウザに表示されるHTML構造を表したものです。
通常、ユーザーの操作やアプリケーションの状態が変化すると、
このDOMを直接操作して表示を更新しますが、これは比較的処理が重く、
特に多くの要素が含まれる複雑なアプリケーションではパフォーマンスが低下しがちです。
仮想DOMは、Reactが最初にデータの変更を反映するための仮のDOMをメモリ上に作成し、
それを元に差分だけを実際のDOMに反映するというアプローチを取っています。
この仕組みにより、ブラウザが重たい処理を何度も行う必要がなくなり、パフォーマンスが向上します。
仮想DOMの仕組みとメリット
仮想DOMの最大のメリットは、アプリケーションのパフォーマンスを向上させることです。
ここでは、仮想DOMがどのように機能し、どんな利点があるのかについて見ていきましょう。
仮想DOMの更新プロセス
仮想DOMの更新プロセスをシンプルに解説すると、次のような流れになります。
- 仮想DOMを生成する
Reactは、データの変更が発生した際に、新しい仮想DOMを生成します。 - 差分(diff)を比較する
変更が発生するたびに、新しい仮想DOMと以前の仮想DOMを比較し、どこが変わったのかを確認します。この作業を「差分計算(diffing)」と呼びます。 - 必要な部分だけを更新する
差分をもとに、実際のDOMに反映するべき変更箇所のみを更新します。これにより、無駄な更新が減り、ブラウザへの負荷が軽減されます。
仮想DOMを使うメリット
仮想DOMには、いくつかの重要なメリットがあります。
- パフォーマンスの向上
仮想DOMは、変更箇所のみを効率的に更新することで、ブラウザの負荷を減らし、全体的なパフォーマンスを向上させます。 - 効率的なレンダリング
仮想DOMは差分を計算し、必要な部分だけを更新するため、複雑なUIや頻繁な状態の変化があるアプリケーションでも効率的に表示を更新できます。 - デベロッパー体験の向上
Reactの仮想DOMは複雑なDOM操作を自動化してくれるため、デベロッパーがDOMの最適化を意識せずにコーディングできるという利点もあります。
仮想DOMとstateの関係
Reactで仮想DOMが活用されるのは、特にstate(状態)と組み合わせた場合です。
stateとは、コンポーネントの一時的なデータを保存するためのオブジェクトで、
ユーザーの操作やアプリケーション内の動きによって変化する情報を管理します。
例えば、次のようにstateを使ってカウントを管理するボタンを考えてみましょう。
import React, { useState } from 'react';
function Counter() {
const [count, setCount] = useState(0);
return (
<div>
<p>現在のカウント: {count}</p>
<button onClick={() => setCount(count + 1)}>カウントを増やす</button>
</div>
);
}
export default Counter;
JSXこの例では、count
というstateが0
から始まり、ボタンをクリックするたびに1ずつ増加します。
stateが変更されるたびにReactは仮想DOMを使って差分を計算し、必要な箇所だけを効率的に更新します。
まとめ
Reactの仮想DOMはReactに標準装備されている機能です。
Reactを使うと、自動的に仮想DOMが利用されるようになっているため、
開発者が特別な設定を行う必要はありません。
Reactには仮想DOMという仕組みが使われているんだなあということだけここでは覚えてもらって、
あとはuseStateやuseEffectなどの使い方をマスターしてReactの世界を楽しんでください!