プログラミングを学んでいる方なら、
最近「バイブコーディング」という言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。
AIの進化により、コーディングのスタイルも大きく変わりつつあります。
この記事では、バイブコーディングの基本概念から実践方法、初心者が取り入れる際のポイントまで、
わかりやすく解説します。
これからプログラミングを学ぶ方も、すでに学習中の方も、ぜひ参考にしてください。
バイブコーディングとは?最新のコーディング手法を理解しよう
バイブコーディング(Vibe Coding)とは、
AIの力を借りて「こんな感じで作りたい」という雰囲気や意図を伝えながらコードを生成するプログラミング手法です。
従来のコーディングでは、プログラマーが構文やアルゴリズムを細かく考えながら一行ずつコードを書いていました。しかしバイブコーディングでは、自然言語でやりたいことを説明するだけで、AIが適切なコードを提案してくれます。
ちなみに「バイブ(Vibe)」とは「雰囲気」や「感覚」といった意味がある英語で、厳密な仕様書に従ってコードを手書きしていくのではなく、まさに「○○な感じのやつつくって」と”雰囲気”を自然言語で伝えることで、AIにコーディングをしてもらう手法のことを「バイブコーディング」と呼ぶわけですね。
この手法が注目される背景には、ChatGPTやGitHub Copilot、Claude、Cursorといった高性能なAIコーディングアシスタントの登場があります。
これらのツールは、開発者の意図を理解し、実用的なコードを瞬時に生成できるまでに進化しています。
なるほどな~
「むっちゃいい感じで、お金たくさん稼げるアプリつくって~」
とか言ったら作ってくれるんだろうか?
バイブコーディングの特徴
バイブコーディングには以下のような特徴があります。
- 自然言語でのコミュニケーション
「ユーザー登録フォームを作って」といった日本語での指示が可能 - 反復的な改善
生成されたコードを確認しながら、対話形式で修正・改善できる - 学習効率の向上
AIが提案するコードから新しい知識やベストプラクティスを学べる
バイブコーディングの具体例:実際にどう使うのか
実際にバイブコーディングがどのように機能するのか、具体例を見てみましょう。
例1:簡単なToDoリストの作成
あなたの指示: 「HTMLとJavaScriptで、タスクを追加・削除できるシンプルなToDoリストを作ってください」
AIが生成するコード例
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
<title>ToDoリスト</title>
<style>
body { font-family: Arial, sans-serif; max-width: 500px; margin: 50px auto; }
input { padding: 10px; width: 70%; }
button { padding: 10px 20px; cursor: pointer; }
ul { list-style: none; padding: 0; }
li { padding: 10px; margin: 5px 0; background: #f4f4f4; display: flex; justify-content: space-between; }
</style>
</head>
<body>
<h1>ToDoリスト</h1>
<input type="text" id="taskInput" placeholder="新しいタスクを入力">
<button onclick="addTask()">追加</button>
<ul id="taskList"></ul>
<script>
function addTask() {
const input = document.getElementById('taskInput');
const task = input.value.trim();
if (task === '') return;
const li = document.createElement('li');
li.innerHTML = `${task} <button onclick="this.parentElement.remove()">削除</button>`;
document.getElementById('taskList').appendChild(li);
input.value = '';
}
</script>
</body>
</html>HTMLこのように、詳細な実装を知らなくても、やりたいことを伝えるだけで動作するコードが生成されます。
例2:コードの改善を依頼
さらに「タスクに完了のチェックボックスを追加してください」と依頼すれば、AIが既存のコードを改良してくれます。このような反復的な対話がバイブコーディングの大きな特徴です。
バイブコーディングの始め方:必要なツールと手順
では実際にバイブコーディングをやりたいと思ったら、どんなことをしたらいいのでしょうか?
バイブコーディングを始めるために必要なものと、基本的な手順を解説します。
推奨されるAIツール
バイブコーディングはAIと対話しながらやっていくわけなのですが、
「このAIじゃないとできない」ということはもはやなくなってきました。
自然対話でコーディングができる、初心者におすすめのAIツールは以下のような感じです。
個人的おすすめはClaudeかなと思います。(2025/11時点)
- ChatGPT / Claude
- ブラウザで利用可能、無料プランあり
- 自然な対話でコード生成や解説が可能
- プログラミング初心者に最適
- GitHub Copilot
- Visual Studio Codeに統合
- リアルタイムでコード補完
- 月額10ドル(学生は無料)
- Cursor
- AI統合型コードエディタ
- コード全体の文脈を理解した提案
- 無料プランあり
それぞれのAIツールの特長についてはまた別の記事で紹介しようと思います。
ここでは、上記のAIがバイブコーディングに向いている、ということだけ覚えてもらえたらOKです。
玄人はもっと色々使いこなすのかもしれないけど、とりあえずは上記がおすすめ!
エディタについては基本的に「VS Code」でいいと思います。
あとはそれぞれのAIツールで指示を出して出来上がったコードを、エディタ内に張り付けるか、
もしくはエディタとClaude Codeなどを連携させて、エディタ内でコードベース全体を見てもらいながらバイブコーディングを完結させることもできます。
2,3ファイルで終わる単純なものならAIツールのみでいいと思いますし、
もっと多くのファイル群を扱う場合は、エディタにClaude CodeやGitHub Copilotを連携させて、コードベースを見てもらいながらする方が確実でしょう。
バイブコーディングの基本手順
ステップ1:目的を明確にする 「ログイン画面を作りたい」「データを並び替える機能が欲しい」など、作りたいものを具体的に考えます。
ステップ2:AIに指示を出す 自然な日本語で、実現したい機能を説明します。技術用語を使わなくても大丈夫です。
ステップ3:生成されたコードを確認 AIが提案したコードを実際に動かしてみて、期待通りの動作をするか確認します。
ステップ4:改善を依頼 「もっとシンプルにして」「エラー処理を追加して」など、対話しながらコードを改善していきます。
ステップ5:コードを理解する 生成されたコードがどのように動いているか、AIに解説を求めながら学習します。
プログラミング初心者にバイブコーディングは向いている?
プログラミングを始めたばかりの方にとって、バイブコーディングは役立つのでしょうか?
向いている人と向いていない人の特徴を整理しました。
バイブコーディングが向いている人
- 実践的な学習を好む人:動くものを作りながら学びたい方には最適です
- モチベーション維持が課題の人:早く成果が出るため、挫折しにくくなります
- 複数の言語を効率的に学びたい人:AIの助けで様々な技術にチャレンジできます
- 実務でのスピードを重視する人:学習と並行して実際のプロジェクトを進められます
注意が必要なケース
一方で、バイブコーディングだけに頼りすぎると基礎力が身につかない可能性もあります。
- 基礎文法の理解が不十分:AIが生成したコードを理解できないと、デバッグやカスタマイズが困難
- 問題解決能力の低下:自分で考える機会が減り、アルゴリズム思考が育ちにくい
- コードの品質判断ができない:AIの提案が最適解とは限らず、見極める力が必要
バランスの取れた学習法
初心者には、基礎学習とバイブコーディングを組み合わせるアプローチがおすすめです。
- 最初の1〜2ヶ月は基本的な文法や概念を学習
- 基礎が身についたら、バイブコーディングで実践的なプロジェクトに挑戦
- AIが生成したコードは必ず自分で読み、理解する習慣をつける
- わからない部分はAIに質問し、解説を求める
バイブコーディングを活用する際の注意点とベストプラクティス
バイブコーディングを効果的に活用するために、知っておくべき注意点とコツをまとめました。
セキュリティとプライバシーへの配慮
AIツールを使う際は、機密情報や個人情報を含むコードを共有しないよう注意が必要です。企業のプロジェクトで使用する場合は、利用規約や社内ポリシーを確認しましょう。
AIの提案を鵜呑みにしない
生成されたコードにはエラーや非効率な部分が含まれる可能性があります。以下の点をチェックする習慣をつけましょう。
- コードが実際に動作するか確認
- セキュリティ上の問題がないか検証
- パフォーマンスに問題がないか評価
- コーディング規約に準拠しているか確認
効果的な質問の仕方
AIからより良い回答を得るためには、具体的で明確な指示が重要です。
良い例: 「Reactで、ユーザーが入力したテキストをリアルタイムでプレビュー表示するコンポーネントを作ってください。入力フィールドとプレビューエリアを横並びにレイアウトしてください」
改善が必要な例: 「Reactでなにか作って」
継続的な学習の重要性
バイブコーディングは強力なツールですが、技術の理解を深める努力も並行して行うことが大切です。
- 生成されたコードを自分で書き直してみる
- 公式ドキュメントやチュートリアルも読む
- オンラインコミュニティで他の開発者と交流する
- 定期的に「AIなしで」コードを書く練習をする
まとめ:バイブコーディングで効率的にスキルアップしよう
バイブコーディングは、AIの力を借りて効率的にプログラミングを学べる革新的な手法です。初心者でも早く成果を出せる一方で、基礎学習とのバランスが重要になります。
この記事のポイント:
- バイブコーディングは自然言語でAIと対話しながらコードを生成する手法
- ChatGPT、Claude、GitHub Copilotなどのツールが利用可能
- 実践的な学習を好む人や、モチベーション維持が課題の人に向いている
- 基礎文法の学習と組み合わせることで、効果的にスキルアップできる
- AIの提案を理解し、検証する姿勢が大切
プログラミング学習の新しい選択肢として、ぜひバイブコーディングを試してみてください。AIをパートナーとして活用しながら、着実にスキルを伸ばしていきましょう!